2018.04 音楽ライブ生放送をむかえるまで<カメラアシスタント編>

WOWOWでは音楽ライブを生放送で視聴者に届けます!

4月に放送されたライブの生中継現場から、カメラアシスタントの仕事をご紹介して行きたいと思います。
都内のライブハウスにて、25台のカメラを使用し生中継に臨みます。

8:00 セッティング開始

ケーブルセッティング

まず始めに、光ケーブルを中継車から会場のカメラまで引っ張ります。
光ケーブルは、カメラの映像を映像中継車に送る為のケーブルです。
このケーブルが無ければ中継業務が行えない大切な生命線の一つです。
ケーブルは、システムカメラ1台につき1本となっています。
今回の生中継では、20台ほどのシステムカメラがあるため20本の光ケーブルを用意しなければなりません。
一本一本挿し間違えがないよう気をつけながら作業を行います。

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カメラの準備

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25台のカメラを使用しているため、その台数分のカメラ・レンズ・三脚を用意します。
現場ディレクターは、それぞれカメラポジションによって使用するカメラやレンズ、三脚など機材の組み合わせを指定します。
カメラアシスタントは、指定されたスペックで用意するとともに、当日のレンズ等のスペック変更にも臨機応変に対応します。

カメラチェック

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カメラとケーブルのセッティングが終了したら、それらが正常に稼働し映像が映るか、中継車から生放送の映像を送り返しカメラ側で確認できるかをVE(ビデオエンジニア)とチェックを行っていきます。
またカメラの色調整も行います。
例えば、生放送で複数台のカメラが切り替わる中で同じ人物の顔色が僅かに違うと、観ている方は違和感を感じてしまいます。
色調整では、その違和感を視聴者の皆さんに与えないよう、全体のカメラの色を合わせていきます。

13:00 カメラマンによる調整

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カメラアシスタントが会場に使用するカメラを持って行き大方のセッティングをした後にカメラの調整を行います。
カメラマンは、三脚についているパン棒やズーマーの位置や、カメラとの位置関係を入念に確認し各担当のアシスタントと調整を行います。
例えば、カメラが自分の背より高い位置で撮影することになった場合、その高さにあった足場を用意してカメラマンがやり易い環境を整えます

15:00 WOWOW回線センターとチェック

生中継を行うためには、現場だけでは放送ができません。
現場の映像をWOWOWの回線センターへ送り、各家庭のテレビへ放送されています。
放送素材は、映像中継車と音声中継車で映像と音声が別々に制作されているため最終的に一致しているか確認する必要があります。
そこで行われるのが「リップシンク」のチェックです。
「リップシンク」とは映像と音のズレを補正することです。
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放送で使用するカメラの前でマイクを持った彼が「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」と発声し、中継車と放送センターでは唇の動く映像と実際の音声がぴったり合っているかを入念に確認します。

18:00 生放送スタート!



最後に

今回はカメラアシスタントの業務内容を主に説明してきました。
生放送では、通常の収録と異なり、限られた時間で様々なセクションとチェックを行わなければなりません。
アシスタント同士でしっかりと連携をとりスムーズに仕事を進めていきます。
そして、生放送で無事に放送することはもちろんですが、映像がパッケージ(DVD等)になるため、生放送では映っていないところでも使用できるカメラワークを意識しながら撮影を行っています。




PROFILE

マイク | カメラマン
入社2年目。現在の主な担当は、カメラアシスタント。2年目になりカメラマンやTDのポジションを担い始め、中継現場の中心として活躍すべく日々奮闘中。 趣味の音楽DVDやライブ鑑賞、ラジオがきっかけで現在の仕事を志すようになった。