2018.06 グランドスラム生中継!全仏オープンテニス

テニスの世界大会、グランドスラム。WOWOWでは4大会すべてを現地から生中継でお届けしています。

今回は主に音声を中心に、現地フランスでの全仏オープンテニス生中継業務についてご紹介します。

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念入りに・・・事前SETTING

大会開始前に、生中継のための機材をセッティングしチェックを行います。

音声の主な担当業務は、放送音声のミックス・出演者のイヤーモニター音声構築・番組スタッフ用の連絡線管理です。

本番中にトラブルが発生しないよう、様々な事態を想定して細やかな部分までチェックしていきます。

試合会場の映像・音チェック

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WOWOWのテニス中継番組は、現地のテレビ局が制作した試合会場の映像と音をWOWOW独自の実況解説とミックスした試合パート・スタジオパート・VTRなどを織り交ぜながら構成していきます。

会場内には約20のテニスコートがあり、大会期間中は様々なコートで並行して多数の試合が行われているため、その各コートの映像と音声が正確に届いているかを確認する必要があります。

スタジオ・放送席・RFチェック

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大会の試合結果や特別企画を展開するスタジオ、実況・解説を付ける放送席、会場内の様々な所から現地感を届けるRF(ワイヤレスカメラ)のチェックを行います。

各所のマイクチェックと併せて、スタジオ・放送席・RFとのかけ合いを行うためのチェックも実施します。

番組を進行するにあたり出演者の方のイヤーモニターが大切になるため、誰がどの音を聴く必要があるのかを検討して各所に音を送り、レベル調整をしていきます。

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番組スタッフ用の連絡線チェック

事前に打ち合わせを行った台本に沿って番組は進行していきますが、生中継では何が起こるかわかりません。

試合進行や天候の状況により、その場で最善の判断を決定し番組を進行していく必要があります。

スタッフ全員が次の流れを理解してコミュニケーションを取りながら仕事ができるように、現地で番組制作に関わる制作・技術スタッフと出演者間の連絡線を管理することも音声の担当業務です。

番組制作においてコミュニケーションは非常に重要であり、より良い環境で番組を制作するために欠かせない仕事です。

いよいよ大会開幕!生中継START

大会が開幕すると、現地時間の午前11時から夜22時頃まで連日生中継が始まります。

WOWOWが視聴者の方に見て頂きたい試合をピックアップして放送し、試合間にはスタジオや会場内からの中継で生放送ならではの臨場感をお届けします。

生中継の音声ミックス

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会場に響く打球音、選手の息遣い、テニスボールがコートを跳ねる音、審判と選手の会話、観客の割れんばかりの歓声・・・。

そんな現地の熱気と興奮を日本の視聴者の方々にテレビを通して伝えられるように意識しながら音声をミックスし、制作技術スタッフ一丸となって2週間の生放送を行います。

スタジオゲスト

日本人選手や海外選手をWOWOWの現地スタジオにお呼びし、出演して頂くこともあります。

選手がスタジオに到着する時間は試合の進行により変動するため、フレキシブルな対応が求められます。

現地からの生中継だからこそできる、試合直後の選手へのインタビューやスタジオ企画をお届けします。

テレビだからこそ出来る楽しみ方

音楽ライブ・舞台・スポーツ中継共に、会場に行かないと感じられない音や雰囲気は沢山あります。ですがそれと同時に、テレビだからこそ出来る楽しみ方もまた沢山あります。

実況・解説を聞きながら試合を見ることでより深くテニスを楽しむことができたり、複数のコートの試合状況をリアルタイムで知ることができたり、現地に足を運ぶことは難しくても自宅で寛ぎながら試合を観戦・・・など、テレビでスポーツ観戦する楽しさを感じて頂けたらと思います。

生中継ならではの良さを生かし、今後もスタッフ一同より良い番組制作の励みます!




PROFILE

リカ| サウンドエンジニア
音声2年目。主に音楽ライブの録音フロア業務を担当。音声分岐や会場内のマイクセッティングと録音を行っている。半年ほど前から、海外テニス中継の音声ミックスも担当している。多趣味のためやりたいことが多すぎて、時間がいくらあっても足りないのが悩み。