2019.6 生中継!第73回トニー賞授賞式

WOWOWでは、トニー賞授賞式を生中継でお客様にお届けします。

今回は、トニー賞授賞式のスタジオのお仕事(主にカメラ)について紹介していきたいと思います。

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トニー賞とは

トニー賞とは、該当期間中にニューヨークのブロードウェイで上演された演劇、ミュージカル作品を対象に贈られる賞で、アメリカ演劇界で最も権威のある賞とされています。

ニューヨークで行われる授賞式の映像を現地からもらい、そのCM部分を WOWOWのスタジオに差し替えて番組として生放送しています。

スタジオセット

トニー賞受賞式のイメージを美術チームが考えて、ゴージャスなセットになっています。

楽器チームも入り、ピアノを置き実際に生演奏をして頂きます。

セットを意識し、活かす画作りもカメラマンには必要となります。

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カメラセッティング

今回はスタンダードカメラ×3台、ハンディカメラ×1台、クレーン×1台、小型カメラ×1台の計6台のカメラを使用して撮影しました。

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ピアノ横に設置した小型カメラはレールの上に乗せて撮影しました。

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カメラマンがその位置でカメラ操作をすると他のカメラから見切れてしまうので、小型カメラを設置し遠隔操作をします。

しかしレールが他のカメラから見切れてしまうため、レール部分には美術チームのご協力で装飾をつけて頂きました!とても可愛く仕上がっています!

本番中は演奏シーンで主に、動きのある映像やピアノ演奏者の手元狙いなど様々な役割を果たしています。

セット内に設置しているため、他のカメラでは撮れない印象的な映像を撮ることが出来ます。

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カメラチェック・カメラ調整

カメラセッティングが終わると、必ずカメラチェックを行います。

正常に映像を確認できるか、正常にカメラが動くか、スイッチャーで映像を選択された時に赤タリーが点灯するか、インカムでの会話ができるか、、、など

様々なチェック項目をクリアすると、次にカメラ調整をします。

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複数のカメラを使用するので色味の差異を出さず、視聴者に違和感を与えないために各カメラの色味を合わせる事をカメラ調整と言います。

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全台のカメラでグレースケールチャートというホワイトバランスを確認するためのチャートを撮り、VE(ビデオエンジニア)が色味のバランスを調整します。

ドライ(代役リハーサル)

本番を迎える前にスタッフ全体での打ち合わせを行います。

その後、スタッフが代役になり台本通りに進めていくドライを行います。

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この段階で不明点などは解消し、スタッフが流れを把握するための大切なリハーサルです。

カメラマンはカメラポジションを確認し、より良い画を撮れるよう探ります。

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また美術チームはセットの転換のタイミングなどを確認します。

様々なスタッフと連携して番組を進行していくために、他セクションの動きを把握することがとても重要になります。

生中継スタート!

生中継ということで、スタジオとサブは緊張感で張り詰めています。

現地(ニューヨーク)から授賞式の映像を受けています。万が一、現地や回線で問題が起きて授賞式がお届け出来なくなっても放送が続けられるよう臨機応変な対応を心がけます。

各セクション一丸となり、生中継ならではのLIVE感を視聴者に届けられるよう頑張ります。

最後に

WOWOWエンタテインメントでは、主に中継業務を行うことが多くスタジオ業務の割合は多くはありません。

しかし、音楽要素のある番組という事もあり、普段の音楽中継業務の要素を活かすことが出来ました。

番組の中でスタジオゲストが生演奏で歌を披露するパートがあり、そのパートのカット割りを務めた先輩は普段カメラマンをしています。今回のカット割りについて聞くと

「普段の中継業務で感じているカメラの役割や構図を考慮しカット割りを進めました。セットの位置を変えれたり、照明さんと話をして進めれるのはスタジオ業務の醍醐味なので新鮮に行えました。」

と言ってました。普段の中継業務を活かしつつ、他セクションの方々と協力して番組を作り上げる所がスタジオ業務の楽しい所です。

今回トニー賞の紹介を通して、スタジオ業務ではこんなことをやっているんだということを少しでも知って頂けたら嬉しいです。




PROFILE

アイ|カメラアシスタント

入社2年目。主にカメラアシスタントを担当。音楽Liveが好きだった為、カメラマンに憧れを抱き志しました。少しずつ任される事も増え、目標のカメラマンになれるよう日々努力しております!