2019.07 簡易中継システム(映像編)

今回は、中継現場における簡易中継システムをお伝えします。

簡易中継システムとは

中継車を使用しない現場で必要な機材を選定し、機材の設置、セッティングを1つずつ行い、現場で必要とされるシステムを1から構築することです。

限られたスペースの範囲内で必要なシステムを構築することはシステムエンジニアの実力の見せ所であり、システムエンジニアそれぞれにこだわりや考えがあって使用する機材が変わってくる所は面白い部分です。

映像中継ベース

key01.JPG

1枚目写真のように何もなかった廊下が、2枚目写真のように立派な中継ベースに変身します!

今回は舞台裏の廊下が簡易中継ベースになりましたが、会場や現場の状況によってベース位置は異なり、会場内FOHの一角や舞台裏、廊下や空き部屋など様々な場所が簡易中継ベースになります。

機材について

key01.JPG

スイッチャーは、朋栄製の2M/EビデオスイッチャーHVS-390HSを使用。

VEは、マスターモニタにSONY製有機ELのPVM-A170を使用して映像の確認を行い、テクトロニクス製の波形モニタWFM8300で信号の確認をしています。

key01.JPG

機材の裏側は多数のケーブルが配線されていますが、1本1本手作業で行う配線も間違いがないようシステムエンジニアが作成した資料をもとに慎重に配線しています。

チェック

先ほどシステムエンジニアによって使用する機材が異なると言いましたが、必要とされることが同様であれば、異なる機材を使用しても最終的に結果は同じでなくてはなりません。

結果に間違いがあってはならない為、どんなシステムであっても組み上げた後は入念にチェックを行います。

(例)

インカムチェック

タリーチェック

フォーマット確認

各機器の設定・動作確認

各信号の入出力確認

チェック時に間違いを見つけ出すことは大変重要であり、入念にチェックを行うことで事故を防いでいます。

最後に

中継の心臓部であるシステムを構築することは、中継において大きな責任があり大変な業務ではありますが、監督、スイッチャー、指示出し、カメラマン、カメラアシスタント、ビデオエンジニア、皆で作り上げた映像を問題なく収録、放送できた際は安堵すると共に達成感があり、その映像を色々な方に届けられることは、仕事として大きなやりがいを感じます。




PROFILE

ユウタ/ビデオエンジニア

入社8年目。CAを経て4年間はカメラマンとして中継業務に携わる。 海外テニス中継を担当したことがきっかけで映像システム、ビデオエンジニアの仕事に興味を持ち現在に至る。 映像を作る上で学ぶことは多々あり、日々勉強中。